サステナビリティトピックス(社会)

日本酸素ホールディングスグループは、革新的なガスソリューションにより社会に新たな価値を提供し、あらゆる産業の発展に貢献するとともに、人と社会と地球の心地よい未来の実現をめざしています。こうした想いを社員全員が共通認識として理解するグループビジョンに込め、グループ一丸となってサステナビリティ経営を推進しています。

サステナビリティの取組みは、グローバル各地で多岐にわたり展開しており、人、社会、そして地球の課題解決に貢献していくことが、社会価値と経済価値を同時に向上させるとともに、当社グループの企業価値の向上にもつながっていくと考えています。

社会世界日本酸素ホールディングスグループの社会貢献活動(2025年3月期)

当社グループでは、人と社会と地球の心地よい未来の実現に向けて、「安全・健康」「環境保全」「次世代育成」「災害救助支援」「地域コミュニティ」などの社会貢献活動を推進しています。

事例 地域
安全・健康 Mathesonは乳がんや卵巣がんの患者を支援するためのプログラム「Unite for HER(UFH)」を通じて資金を集めました。 アメリカ
Supagasの社員は多発性硬化症のための寄付金を集めるために、自転車レースに参加しました。また、Supagasuは支店で集めた寄付金の同額を拠出し、寄付しました。 オーストラリア
Supagasの社員はロナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズの「Meals from the Heart」プログラムに参加しました。この活動では、患者が治療を受けている間ハウスに滞在している患者の家族へ食事を作り、提供しました。 オーストラリア
Supagasはシドニー小児病院財団(SCHF)との5年間のスポンサーシップを延長しました。  オーストラリア
Nippon Gases Europeはがんで亡くなった社員の友人を偲んでミニ・フットボール・トーナメント(PDS cup)を開催し、収益金の一部を「Come on AgaiNippon Sanso (Thailand) Cancer」に寄付しました。 ベルギー
Nippon Gases Europeはベルギー最大のランニングフェスティバル「Antwerp 10 miles」へ参加する従業員と家族の参加費用を負担しました。 ベルギー
Nippon Gases Europeは小児がんに特化した基金である「Børnecancerfonden」を支援しました。 デンマーク
Nippon Gases Europeは乳がんと戦ってきた女性が病気の認知度向上を目的として活動するパドルチーム「Pink Power Kowelenz」へジャージを寄付しました。 ドイツ
Nippon Gases Europeは遺伝性疾患の研究を支援するための資金を集めました。 イタリア
Nippon Gases EuropeはHanefeld症候群に罹患した子供達を支援し、研究を推進するための資金を集めました。 イタリア
Nippon Gases Europeは毎年開催されているイベント「Hospital for a Friend」」に参加し、病院の患者とその家族を支援しました。 イタリア
環境保全 日本酸素ホールディングスは沖縄や世界のサンゴ礁の保全に主体となって取り組んでいる沖縄科学技術大学院(OIST)の「OIST サンゴプロジェクト」にスペシャルパートナーとして参画しました。 日本
サーモスは、世界中のサンゴ礁を守る「OIST サンゴプロジェクト」の支援を目的とした沖縄限定のデザインボトルの販売を開始しました。売上収益金の一部は日本酸素ホールディングスを通じて本プロジェクトに使用されます。 日本
大陽日酸は沖縄県恩納村のサンゴを守るための活動を行う『チーム美らサンゴ』にメンバー企業として参画し、サンゴの苗作り、植え付け等の活動を実施しました。 日本
大陽日酸は健康経営と社会貢献活動の一環 として、東京都の多摩川でラフティングをしながらゴミ拾いを実施しました。 日本
サーモスはプロバスケットボールクラブ「アルバルク東京」のホーム ゲーム会場にブースを出展し、「ドリンク容器リユースサービス」の実証実験を行いました。 日本
サーモスは東京都・NPO 法人・企業が連携して行う自然環境保全活動である「東京グリーンシップ・アクション 2024」に参加し、里山保全活動を行いました。 日本
サーモスは猛禽類保護活動の応援のためオリジナルボトルを販売し、売上収益金の一部は猛禽類医学研究所を通じて絶滅の危機に瀕した野生動物の保護に使われています。 日本
Nippon Sanso (Thailand)は Green Road Projectに使用済みのペットボトルを寄付しました。これらはテーブル、イス、舗装ブロックにリサイクルされ地域で使われます。 タイ
Nippon Sanso (Thailand)は 王立森林局と協力して、洪水を防ぎ、乾季に使用する水を貯めるための砂防えん提を建設しました。 タイ
Nippon Sanso (Thailand)は北工業団地と共に地域の周辺の森林で苗木の植樹に参加しました。 タイ
Nippon Sanso (Thailand)は、「サステナブルな緑地開発 」プロジェクトの下、北部工業団地との山火事防止活動に参加し、防火帯を作りました。 タイ
Nippon Sanso (Thailand)は、国王誕生日に植樹を実施しました。 タイ
Nippon Gases Europeはエデン森林再生プロジェクトと協力して植林を実施しました。 イタリア
Nippon Gases Europeはドイツ国内の各地域で植樹を実施しました。 ドイツ
Nippon Gases Europeでは従業員、家族、パートナーを含む100人以上の人々が第二回森林再生プロジェクトに参加し、1500本以上を植樹しました。 ポルトガル
次世代教育 サーモスは、 オフィシャルパートナーである川崎フロンターレと共に「神奈川こども食堂・地 域食堂ネットワーク」への支援を実施し、自社のフライパン を神奈川県内のこども食堂・地域食堂などに贈呈しました。 日本
サーモスは首都圏最大規模のスポーツタウンにて「サーモス presents 川崎フロンターレと学ぶ食育サッカー教室」開催に協賛しました。 日本
サーモスは青少年の健全育成とSDGsの普及を目的に、アルバルク東京×サーモス「バスケと SDGs 教室」を開催しました。 日本
サーモスは物価高騰下における大学生の食事をサポートするために、大学の栄養学部に所属する学生と安価かつ栄養価の高い食事のレシピ開発に取り組みました。 日本
大陽日酸は「大陽日酸キッズ理科教室」を開催し、品川区の小学生に液体窒素を使った実験を体験してもらいました。 日本
大陽日酸はスポーツ活動を通じた青少年の健全な育成を目的に、「大陽日酸サッカー教室 セルジオサッカークリニック2024」を千葉と大阪で開催しました。 日本
日酸TANAKAの長野工場は中学校の職場体験学習を受け入れました。 日本
ティーエムエアー鹿島事業所は地元の小学校で理科教室を開催しました。 日本
Mathesonはペンシルバニア州の小学校に学校用品を寄付しました。 アメリカ
Supagasの従業員はKokoda99kmランニングチャレンジに参加し、地域の若者に無料支援プログラムを提供しているKokoda青少年財団への募金活動を行いました。 オーストラリア
Nippon Sanso Vietnamはドンナイ省に選ばれた中高生を対象とした奨学金を共催しています。 ベトナム
Nippon Sanso Vietnamは教育支援を目的に、ノートパソコンやデスクトップパソコンなどの電子機器を地元の中学校と孤児院に寄付しました。 ベトナム
Nippon Gases Europeは女性従業員の成長を促進するネットワーク「WING」を通じて、子供やティーンエイジャーに、家庭での実験を通じて科学への関心を向上させる活動を実施しています。 ヨーロッパ
Nippon Gases Europeは障害を持つ子どもたちを支援するBBQイベントを企画しました。 ベルギー
Nippon Gases EuropeはSTEM(科学、技術、工学、数学)プロジェクトを企画し、3つの拠点に少女達を招待し、会社概要やキャリア機会について紹介しました。 ドイツ
Nippon Gases Europeは使用しなくなったノートパソコンを小学校に寄付しました。 ドイツ
Nippon Gases EuropeはU10のサッカーチームのためにトレーニング用品を購入しました。 アイルランド
Nippon Gases Europeは施設にいる子供達のクリスマスプレゼントを購入するために資金を集めました。 イタリア
Nippon Gases Europeは子供達に科学のテーマに興味を持ってもらうための地元のイニシアチブ「Women in Uniform Read」に参加しました。 ノルウェー
Nippon Gases Europeは7歳の少女達を対象とした新しいハンドボールクラブの設備資金を支援しました。 ノルウェー
Nippon Gases Europeは子ども向けの地域のサーカス団体「Sirkus Sybilla」を支援しています。彼らは地域での公演に加えて学校などを訪問しています。 ノルウェー
Nippon Gases Europeは無料バスサービスを通じて、子供達が山やスキーに行ける環境作りに貢献しています。 ノルウェー
Nippon Gases Europeは毎年クリスマスパーティーを開催し小学生を支援しています。 ノルウェー
災害救助支援 日本酸素ホールディングスは2025年3月28日に発生したミャンマー地震の被災者救済および被災地復興支援のため、日本赤十字社を通じて、義援金を寄付しました。 日本
Nippon Gases Europeはバレンシア地方での深刻な洪水被害に対して、赤十字社と協力して寄付を募り、支援しました。 スペイン
地域コミュニティ サーモスは工事現場の技能者に大容量の水筒を寄付しました。 日本
大陽日酸は障がい者支援の一環として就労支援センターで作られた、無添加パンや焼き菓子、無農薬・有機野菜の販売会を実施しました。 日本
Nippon Gases Europeは200周年を迎えたデュッセルドルフカーニバルに寄付をしました。 ドイツ
Nippon Gases Europeは高齢者精神科施設の住民のためにクリスマスマーケットを開催しました。 ベルギー
Nippon Gases Europeは病院で開催されたイベントのためにヘリウムガスと風船を寄付しました。 イタリア
Nippon Gases Europeは教区のイベントのためにヘリウムガスを寄付しました。 イタリア
Nippon Gases Europeは生活に困窮する人々のために活動する非営利団体「Kirkens Bymisjon」を支援しました。 ノルウェー
Nippon Gases Europeは毎年4月にリュカンで行われる年間最大のイベントを支援しました。 ノルウェー
Nippon Gases Europeは地域の工芸センターにプレゼンテーション用のプロジェクターを購入するための資金を寄付しました。 ノルウェー
Mathesonは保存食品、日用品、その他の生活必需品などを寄付しました。 アメリカ

社会欧州Nippon Gases Italiaが果実の成熟促進用ガス「Frutil」の製造承認取得

Nippon Gases Italiaは、収穫後の果実の熟成を促進する植物防疫製品「Frutil」の製造承認を取得しました。Frutilは窒素とエチレンをベースとする同社オリジナルブレンドガスで、未熟な果実を目的地で安全に適切なタイミングで完熟させ、消費者にお届けすることができ、フードロス削減につながります。

社会米国Matheson、LabCorpとのパートナーシップを拡充

Laboratory Corporation of America HoldingsはLabCorpとして知られており、世界最大級の臨床検査ネットワークを運営して週250万件の検査を処理しています。Mathesonはコールドチェーンに用いるドライアイスの提供を通じて臨床検査の新再生を下支えし、LabCorpとのパートナーシップを年々着実に拡大しています。今後も160の拠点をもつ供給能力や信頼性により、この連携を維持強化していきます。

社会世界第3回 Global HR Committee を開催
―注力分野はグローバルリーダー育成とD&I―

当社では、グループ全体の人事戦略や施策を共有・議論し、互いの知見を学び合うことで、人事ネットワークの構築と機能強化を推進する「Global HR Committee」を定期的に開催しています。
2025年7月には「第3回 Global HR Committee」を開催、世界各地からグループ各社の人事責任者等約20名が参加しました。本会議では、以下のテーマを中心に活発な意見交換と議論が行われました。
・各グループ会社の人事重点課題の共有
・中期経営計画、ウェルビーイング、エンゲージメントサーベイ
・D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)推進
・グローバルリーダー育成
特に、D&I推進についてはグループ共通指針やシンボリックゴールの策定に向けた議論を行い、グローバルリーダー育成に関しては、リーダーの定義に関するワークショップを実施しました。これらの取り組みにより、グループ全体でのD&I推進や次世代リーダー育成をさらに加速させていきます。

グローバルリーダー育成に関するワークショップの様子

社会世界第2回エンゲージメントサーベイワークショップを開催

当社では、2022年よりエンゲージメントサーベイを実施しています。(エンゲージメントサーベイに関してはこちらをご覧ください。)調査会社からの報告では、持続可能なエンゲージメントが高い企業は、低い企業よりも業績を上げる傾向があります。そのため2024年より、スコア改善を目的としてグループ各社のエンゲージメントサーベイ事務局や担当者を対象にしたワークショップを開催しています。 2025年5月に実施した第2回では、(1)サーベイ結果を理解し、課題を 明確にする視点を習得、(2)課題への対応を考え、アクションプランにまとめるプロセスを体験、(3)エンゲージメントに関する最新のトレンドを理解し、アクションプランの推進に活かす、(4)分析やグループ会社 の事例からの学びを通じて、効果的なアクションの促進を図る――という4つの目的の下、グループディスカッションやグループ会社の事例紹介を行いました。実際に運用しているアクションプランと実績を各社から紹介する機会を設けたことで、参加者同士の学び合いや気付きを得られる場となりました。

社会米国国際女性デーに合わせ、 女性従業員による座談会を初開催

2025年3月、Matheson( 以下、MTG)では「国際女性デー」を記念して、初めてとなるラウンドテーブル・ウェビナーを開催。女性従業員4人がパネリストとなり、D&Iについて率直な意見を交わしながら、それぞれの経験や学び、アドバイスをオンライン参加者と共有しました。MTGでは2025年に結成されたWAM(Women at Matheson)がさらに活動の幅を拡大していく予定です。

ラウンドテーブル・ウェビナーの参加者

社会欧州女性社員のキャリア成長を支援するスポンサーシッププログラムの歩みと第3回開催について

Nippon Gases Europeは、女性社員のキャリア成長を支援するため、2022年から毎年、スポンサーシッププログラムを実施しています。スポンサーシッププログラムとは、企業が社員の能力開発やリーダーシップ育成を目的に、対象者の「可視化」「ネットワーキング」「能力開発」を支援する仕組みです。支援を受ける社員は、社内での認知度向上や専門的なつながりの構築、リーダーシップスキルの強化など、キャリア成長のための様々な機会を得ることができます。
このプログラムは、初回開催時からD&I推進を重視し、女性リーダーの育成を目的として展開されてきました。継続的な取り組みにより、社内の多様性を高め、イノベーションと持続的成長を促進する企業文化の醸成に貢献しています。2025年10月には、第3回スポンサーシッププログラムが開始されます。今回から新しい内容で、16名の女性社員が参加予定です。本プログラムは引き続き「可視化」「ネットワーキング」「能力開発」の3つの柱を軸として展開され、参加者は多様性を受け入れ、誰もが活躍できる未来の実現に向けて成長の機会を得ることができます。
今後も、女性リーダーへの支援を通じて、多様な視点がイノベーションと持続的成長をもたらす企業文化の醸成を目指し、積極的な活動を続けます。

昨年実施したスポンサーシッププログラムクロージングイベントの様子

社会日本ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)推進の取り組み

~対話を通じた企業風土醸成~

大陽日酸は、社内外に向け2024年7月に「D&I宣言」をしました。また、2029年度までの「D&Iアクションプラン」を策定し、D&Iの推進に取り組んでいます。
まずは、働き方や人財の多様化を受入れ、互いに尊重しあう企業風土醸成を目指して各種取り組みを行っています。2024年度は、D&I推進の必要性の理解促進を目的に、全国7か所の事業所でタウンホールミーティング(経営と従業員との対話集会)を実施しました。このタウンホールミーティングには、社長、人事部長、D&I推進室長が毎回参加し、従業員と直接対話することで、D&I推進に関する疑問を解消し、理解促進に努めました。約700名が参加し、直接、経営層の声を聞ける場として、多くの質問があり活発な場となりました。
今後も、「多様性があることは当たり前であり価値がある」という理解を目指し、従業員の声を活かしながらD&Iを推進してまいります。

~アンコンシャスバイアス啓発による企業風土醸成~

大陽日酸は多様性を推進するにあたり、アンコンシャスバイアス(性別に役割認識や年齢・経験に対するとらえかたの偏り等)がD&I推進の阻害要因となりうると考え、アンコンシャスバイアス啓発活動を実施しています。
2024年度は、全従業員に向けた講演会や、管理職を対象としたeラーニング・ワークショップを実施し、身近にあるアンコンシャスバイアスを考える機会を作りました。これにより「アンコン」が社内の共通言語となり、社内で”アンコン”について会話する機会が生まれています。今後も研修などを通じて啓発活動を継続していくことで、アンコンシャスバイアスによるネガティブな影響力をなくし、多様な人財が活躍できる風土醸成を目指していきます。

~女性リーダー育成強化の取り組み~

大陽日酸は、マネージャー(管理職)の多様性を目指し、女性管理職候補を対象に2024年度から女性リーダー育成強化のための研修「キャリア・デザイン研修」を開始しました。これは、本人が自分のキャリアに向き合うきっかけとするだけでなく、上長も上長向けの研修を受講することで、対象である女性部下への伴走・育成を実現するものです。研修は、女性、上長それぞれのプログラムに加え、合同で受講するプログラムも用意し、一緒に学び、お互い対話する場が提供されました。
上長からは、『女性特有のライフイベントや体調変化、女性の傾向として見られがちなインポスター症候群等の特徴を確認することで、個性にあわせた指導の参考になった。』『部下指導では男女関係なく活用できる知識セットであり部下との対話が増えるきっかけとなった。』といった声がありました。

社会アジア・オセアニア「SEA+I女性活躍推進フォワードプラン」を発表

東南アジア&インドサブセグメントでは、2023年4月より「女性活躍推進ワーキンググループ」を試験的に運営し、その後、地域の女性活躍推進委員会を設立しました。さらに、地域共通の女性活躍推進KPIを設定し、取り組みの進捗を可視化しています。2025年3月期には、これらのKPIをもとに、各現地法人が女性活躍推進のためのアクションプランを策定しました。NSHSは、グループ全体で76件のアクションプランを統合し、「SEA+I女性活躍推進フォワードプラン」として、年次のHR会議で発表しました。

第8回年次HRネットワーク会議の参加者
女性管理職にキャリア成長の機会を平等に提供