産業ガス:あらゆる産業分野で使用されるガスの総称
酸素や窒素、アルゴン、アセチレンなどの産業ガスは、鉄鋼、化学、自動車、建設、造船、食品など、現代社会を支えるあらゆる産業分野において、欠かせない役割を果たしています。広義では、エレクトロニクス産業向けの電子材料ガスも含まれる場合もあります。
当社が提供する主な産業ガス
1910年の創業以来、さまざまな産業分野に最適な供給方式で産業ガスを安定供給し、産業基盤をサポートしています。1935年には、国産初の空気分離装置(Air Separation Unit)を製作するなど、豊富な技術力をもとに、お客様のニーズに合わせたガス関連機器やサービス、ガスアプリケーションなどを提供し、産業の発展や環境負荷の低減に貢献してきました。
なお、酸素、窒素、アルゴンについては、各ガスの沸点の差を利用し、空気から分離・精製し製造されることから、エアセパレートガス(空気分離ガス)と呼ばれています。
エアセパレートガスの特徴および製造工程については、以下動画よりご覧ください。
酸素について
大気中に約20%含まれており、化学的にはきわめて活性(化学反応を起こしやすい)が高く、他のものを酸化する力(酸化性・支燃性)が強く、多くの元素と化合します。
主には、製鉄プロセスでの不純物除去や燃焼効率の向上、鋼材の溶接・溶断、化成品の酸化プロセス、医療分野での吸入用などで利用されています。
窒素について
大気中に約80%含まれており、常温や低温では化学的に不活性(化学反応を起こしにくい)で、他の物と化合しにくい性質を持っています。
主には、石油化学でのパイプ・タンク内で充填する保安(防爆)用ガス、半導体製造や化成品の酸化防止、食品での鮮度維持用の封入ガス、液体窒素での食品冷凍や凍結粉砕などで利用されています。
アルゴンについて
大気中に約1%含まれており、その名前はギリシア語の怠け者に由来しています。化学的に極めて不活性な性質を持っています。
主には、金属溶接・金属精錬・ステンレス製造での雰囲気ガスなどで利用されています。
炭酸ガスについて
水によく溶けて炭酸水になり、他の物質と反応しますが、乾いた状態では他の物質とほぼ反応しない不活性なガスです。
主には、炭酸飲料の発泡用、ドライアイスの原料、温室での野菜類の促成栽培などで利用されています。
水素について
可燃性のガスで、地球上の元素の中では最も軽い気体です。また、熱伝導が非常に大きく、粘性が小さく、急速に拡散します。
主には、ロケットの推進剤、自動車のクリーンエネルギー、石油精製時の水素化脱硫用などで利用されています。
ヘリウムについて
化学的には不活性で通常の状態では他の元素や化合物と結合せず、沸点が-268.9℃です。液体にすると最も低温なガスです。
主には、MRI(磁気共鳴画像)装置の電動コイルの冷却用、光ファイバー焼結用の雰囲気ガス、呼吸用混合ガス(ダイビングガス)などで利用されています。
産業ガスの供給形態
ユーザーの利用シーンに応じた最適な供給体制で、安全・安定的に供給しています。
(参照:横型ポスター【供給体制】)
産業ガスの利用分野
産業ガスや独自の技術力で培ったガステクノロジーは、多種多様な分野で利用されています。
お客様の企業活動を力強く支え、技術の進歩や産業の発展、環境負荷の低減などに広く貢献しています。
マテリアル分野
鉄鋼・非鉄精錬・ガラス・セラミックス・セメント・紙・その他素材
産業基盤である素材産業へ、新素材や革新的な製造プロセスに関わる技術を提供しています。
ファブリケーション分野
自動車、建設機械、橋梁、建築、造船
シールドガスや雰囲気ガスの最適化技術、ガスコントロール技術をもとに、自動車、建設機械等の組み立てや加工、また、金属・セラミックス・機能性材料の製造・加工に関する技術を提供しています。
ライフサイエンス・フード・アグリカルチャー分野
医療・医薬・バイオテクノロジー、食品製造・加工、農業・漁業・林業
-196℃の液化窒素利用技術を基盤にして、先端医療研究などのバイオテクノロジー、医薬品、食糧・食品市場、一次産業分野へ新たな製品・技術を提供しています。
エネルギー分野
二次電池・再生可能エネルギー・太陽電池・新エネルギー
従来の化石エネルギー分野、スマートグリッドに不可欠な太陽電池・電力貯蔵分野、発酵・バイオ資源等の再生可能エネルギー分野で適用可能なソリューション提供しています。
ケミカル分野
石油化学・化学産業(バイオリファイナリー)・ゴム・プラスチック・その他有機材料
プロセスにおける原料ガス、防爆・劣化防止、雰囲気制御による反応最適化など、主に化学産業における生産性および安全性向上に寄与する製品・技術を提供しています。