Our Road Map

日本酸素ホールディングスは、2023年3月期から2026年3月期にわたる4カ年の中期経営計画「NS Vision 2026」を策定しました。財務、非財務の両面でKPIを設定し、それらを達成するための活動内容も公表しました。

2022

当社を取り巻く外部環境(環境・社会)

当社を取り巻く主な外部環境は「気候変動による影響」「経済的な不確実さ」「地政学的な不安定さ」「デジタル社会の発展」「価値観や生活様式の多様化」と認識しています。これらの変化への対応が迫られています。

2026

2026年3月期を最終年度とする中期経営計画「NS Vision 2026」

財務KPI(2026年3月期)

売上収益
9,750億~1兆円※

コア営業利益
1,250億~1,350億円※

EBITDAマージン
グループ:
≧24%

日本、米国、欧州、
アジア・オセアニア、サーモス:
≧17~33%

※グローバル経済の不確実性を踏まえ、売上収益及びコア営業利益は範囲表記としています。

非財務KPI

環境

GHG排出量の削減率(基準年度:2019年3月期)
18%(2026年3月期) 32%(2031年3月期)

環境貢献製商品によるGHG削減量
環境貢献製商品によるGHG削減貢献量>
当社グループのGHG排出量(2026年3月期)

保安

休業災害度数率
≦1.6(2026年3月期)

コンプライアンス

コンプライアンス研修受講率
100%(2026年3月期)

人事

女性従業員比率
≧22%(2026年3月期) 25%(2031年3月期)

女性管理職比率
≧18%(2026年3月期) 22%(2031年3月期)

2050

ガステクノロジーで
カーボンニュートラル実現へ

  • 省エネのさらなる推進
  • エネルギー利用効率の向上
  • 再生可能エネルギーの利用促進と
    電力のグリーン化
  • CO₂回収とカーボンオフセット

価値創造ストーリー

中期経営計画「NS Vision 2026」では、当社を取り巻く外部環境について、グループ全体でその認識を確認しました。そして、事業活動では各地域でのベストプラクティスを共有し、オペレーショナル・エクセレンスを追求することで、社会価値と経済価値を両立させ、さらなる企業価値の向上をめざします。

カーボンニュートラル社会の実現

当社グループは、環境貢献製商品やソリューションを提供することにより、顧客業界の温室効果ガス排出量削減に貢献していきます。そのために必要な技術開発の取り組みを強化するとともに、不足する技術については、戦略的パートナーとの連携強化を進めます。並行して、さまざまなステークホルダーの皆さまに、こうした取り組みをご理解いただけるように、発信力の強化にも努めます。

Carbon Neutral Program

2050年にカーボンニュートラル社会の実現をめざすための取り組みとして、自社で排出するCO2削減を目標とした「Carbon Neutral ProgramⅠ」、お客さまへ環境貢献製商品や機器、サービスなどのソリューションを提供することにより世界のGHG削減への貢献をめざす「Carbon Neutral Program Ⅱ」を掲げています。以下は、「Carbon Neutral Program Ⅱ」にあたるソリューションの提供についてご紹介します。

カーボンニュートラル社会に向けた新事業の追求
(ソリューションの提供)

カーボンニュートラルプロジェクトで
早期に相応の成功実績(Quick-Wins)を積み上げる

  • 鉄鋼・非鉄/ガラス/セメント/アルミニウム等の市場におけるカーボンニュートラルプロジェクトの獲得
  • 水素社会に向けたHyCOプロジェクトの獲得

R&D、戦略的パートナーとの協業関係を構築する

  • 各リージョンでのカーボンニュートラルプロジェクトへの参画とグループ間での共有
  • 潜在的な戦略パートナーの獲得
  • 酸素燃焼技術など注力すべきR&Dテーマへの積極的な資源投入

すべてのステークホルダーとのコミュニケーションを強化する

  • コミュニケーションプラットフォームの確立
  • カーボンニュートラル活動のSNS掲載などを通じた当社グループのプレゼンスの向上

カーボンニュートラル社会に向けた新事業の探求に関しては、すでに当社グループ内にグローバルカーボンニュートラルワーキンググループが組織化されています。当社グループの産業ガスや供給機器、開発・エンジニアリング力を生かすことができる分野において、短期間に相応の成功実績(Quick-Win)を 獲得するとともに、R&Dの推進と戦略的パートナーとの連携を強化していきます。
また、コミュニケーションプラットフォームで、グループ内を含めたあらゆるステークホルダーに情報発信を行い、新たな事業機会の獲得をめざします。そのために、2022年9月にカーボンニュートラルプロジェクトに特化したウェブサイトを開設しました。

先進事例

事例紹介
米国:再生可能燃料を原料とした水素の長期供給契約締結

Matheson Tri-Gas, Inc.(以下、MTG)は、米国のオイルメーカーであるVertex Energyが保有する生産量7万5千バレル/日の製油所向けに、既設設備からの水素供給に加え、新たに再生可能燃料を原料とした水素の長期供給契約を締結しました。
MTGはすでに、長期にわたり安定かつ安全な水素を製造・供給してきた実績があります。本プロジェクトでは、水素を製造する原料が、化石由来の燃料ではなく、Vertex Energyが製造する再生可能燃料から副生される再生可能炭化水素燃料(バイオナフサやその他バイオ由来燃料などを含む)を原料とするため、カーボンフットプリントが非常に低い水素を製造、供給することができます。
今回の契約は、当社として初めての再生可能炭化水素燃料を原料としたHyCOプラントの設置であり、「経済合理性を踏まえた水素ガス供給の提案」という当社グループのカーボンニュートラルに向けたコミットメントを実証するものです。さらに、本プロジェクトの実績は、グローバルHyCO事業のフットプリント拡大に向けた重要な位置付けとなります。