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大陽日酸は、これまで廃棄していた使用済み重水を再濃縮する装置を開発し、重水のリサイクル体制をつくば開発センター内に構築しました。重水は水素の安定同位体である重水素を多く含む水で、原子力分野や NMR 分析用溶媒などの研究分野をはじめ、様々な領域で使用されていますが、国内需要に対し全量を海外からの輸入に頼っており、海外の需給状況や製造国の輸出政策の影響を受けやすく安定調達が容易ではない物質です。重水再濃縮の商業化は国内企業としては初となります。本リサイクル体制の活用により重水素標識化合物*2向けの重水の一部が社内調達可能となるとともに、廃棄重水量は従来当社比で半減する見込みです。今後は本再濃縮装置の安定稼働継続を図るとともに、社外の重水再利用ニーズの探索や需要に応じた増産方法について検討を進めます。 (注) ※1当社調べによる ※2重水素標識化合物:化合物内の水素原子の一部または全てを重水素(D)に置換した化合物の総称