サステナビリティトピックス(環境)

日本酸素ホールディングスグループは、革新的なガスソリューションにより社会に新たな価値を提供し、あらゆる産業の発展に貢献するとともに、人と社会と地球の心地よい未来の実現をめざしています。こうした想いを社員全員が共通認識として理解するグループビジョンに込め、グループ一丸となってサステナビリティ経営を推進しています。

サステナビリティの取組みは、グローバル各地で多岐にわたり展開しており、人、社会、そして地球の課題解決に貢献していくことが、社会価値と経済価値を同時に向上させるとともに、当社グループの企業価値の向上にもつながっていくと考えています。

環境日本工業炉における燃料アンモニアの燃焼技術の開発

大陽日酸は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「燃料アンモニアの燃焼技術開発」の委託先に選定されています。これは利用技術が確立できていない工業炉において、アンモニアの燃焼技術を開発し、産業分野での脱炭素化に貢献することが目的です。大陽日酸は、これまでガラス溶融炉向け酸素バーナーをはじめ、国内外のさまざまな工業炉に対する導入実績を有しています。本委託事業の事業期間は2021年度から2025年度までの5年間で、アンモニア̶酸素燃焼/酸素富化燃焼技術の開発を進めています。
工業炉における燃料アンモニアの燃焼技術の開発

環境日本カーボンフリー燃料での球状シリカ製造技術を共同開発

球状シリカは半導体封止材料として用いられ、近年の半導体の使用領域拡大とともに、その品質に対する要求が高まっています。従来手法では、化石燃料に起因するカーボンが混入するリスクがあり、絶縁阻害による半導体の信頼性を低下させてしまいます。そこで、2022年2月に大陽日酸は、球状シリカメーカーである株式会社アドマテックスとともに、カーボンが発生しないアンモニア̶酸素燃焼を用いることで、不純物となるカーボンを含まない、高品質な球状シリカの製造が可能な溶融・球状化技術を開発しました。
カーボンフリー燃料での球状シリカ製造技術を共同開発

環境日本CO2排出量を大幅削減する水素-酸素バーナーによるガラス溶融に成功

2022年4月、大陽日酸は日本電気硝子株式会社と共同開発した水素̶酸素バーナーを用いて、水素100%燃焼によるガラス溶融の実証実験に成功しました。開発した水素̶酸素バーナーは、天然ガスと水素の混合比率を適宜切り替えることが可能です。実証実験では燃料に水素を100%用いた燃焼、天然ガスと水素を混合した燃焼のいずれの方法でも天然ガスを100%用いた燃焼と同等の溶融能力を得られることが確認できました。これにより溶融炉から排出されるCO2の大幅削減が可能となります。
CO 2 排出量を大幅削減する水素-酸素バーナーによるガラス溶融に成功

環境日本高効率酸素利用システム「SCOPE-Jet® SCAN」

大陽日酸は、炉内温度を効率的に上昇させることができる酸素バーナの開発に取り組んでいます。当社の製品ラインアップの一つである「SCOPE-Jet®」は、大量の電力を消費する電気炉製鋼向けに、酸素を用いた高温の火炎を用いることで、電力原単位の削減や生産性を向上(時間短縮)するために開発されたバーナです。2021年3月、大陽日酸は新たに「SCOPE-Jet® SCAN」を開発しました。本製品は酸素アプリケーション(ガス利用機器・技術)とレーザー式ガス分析装置を組み合わせ、リアルタイムの分析値を基に酸素、燃料、カーボンの供給量を制御することで、酸素利用効率を高めることができ、CO2排出量の削減も期待できます。今後も電気炉を中心に導入を図り、さらなる応用展開を進めていきます。
高効率酸素利用システム「SCOPE-Jet® SCAN」

環境欧州鉄鋼業界の脱炭素に向けてNippon Gases Euro-HoldingがSarralleと業務提携

2021年12月、Nippon Gases Euro-Holding(以下、NGE)は水素バーナなどに関わるエンジニアリングサービスの提供において、Sarralleとの業務提携を発表しました。同社はスペインに本拠を置く、鉄鋼分野などのエンジニアリング業のリーディングカンパニーで、今般の業務提携によりNGEはバーナ技術を提供し、同社はエンドユーザーへの導入を手がけていきます。水素バーナは、天然ガスに代わるエネルギー源として水素を活用するもので、産業の脱炭素化を達成するための重要な要素と考えられています。また、鉄鋼業界だけでなくその他の産業における水素バーナや他の産業ガスの利用を促進するため、ガス利用技術の提供も含め、同社と協力し、プロジェクトを進めていきます。
鉄鋼業界の脱炭素に向けてNippon Gases Euro-HoldingがSarralleと業務提携

環境欧州Nippon Gases Euro-Holdingの液化炭酸ガス運搬船

Nippon Gases Euro-Holdingの炭酸ガス事業は、欧州市場の19%を占め、同地域では第2位の規模を誇ります。12基の炭酸ガスプラントを所有し、それらの生産拠点を各地の市場につなげるのが3隻の炭酸ガス運搬船。1回の航海で1,200~1,800tの液化炭酸ガスを輸送することができ、年間30万tを輸送しています。また、貯蔵タンクやプラントのメンテナンス期間には海上の貯蔵タンクとしても運用されます。今後も欧州全体を俯瞰して消費動向の現状と今後のニーズを的確に把握し、必要とされている国に製品(炭酸ガス)を供給していきます。
Nippon Gases Euro-Holdingの液化炭酸ガス運搬船

環境日本実証試験のためのCO2液化設備を設置

大陽日酸は、NEDOの「炭素循環型セメント製造プロセス技術開発」において、太平洋セメント株式会社とCO2液化工程で協力し、2022年2月、同社熊谷工場にCO2液化設備を設置しました。セメントの製造工程で排出されるCO2を再資源化し、セメント原料や土木資材として再利用します。大陽日酸はセメントキルン排ガスからCO2分離・回収実証試験において、回収されたCO2を液化する一連の工程についても技術協力を行いました。
実証試験のためのCO 2 液化設備を設置

環境日本発電所から回収したCO2の有効利用に向けた実証を開始

日本液炭株式会社は、電源開発株式会社及び中国電力株式会社、両社が共同で設立した大崎クールジェン株式会社、世羅菜園株式会社と共同で、石炭火力発電所から回収したCO2を有効利用する実証試験に取り組んでいます。本実証試験は、石炭ガス化複合発電(IGCC)とCO2分離・回収を組み合わせた革新的低炭素石炭火力発電の実現をめざしている大崎クールジェン株式会社のIGCCにおいて回収したCO2を液化、移送し、トマト温室での光合成を促すためにこれまで利用していたCO2と置き換えて活用します。本実証試験によりCO2の有効利用の可能性を追求することで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。
発電所から回収したCO 2 の有効利用に向けた実証を開始

環境米国排水処理におけるCO2活用

酸を用いたプロセスの代替として排水処理にCO2を活用しました。製薬会社のCSL Behring LLCは排水処理に硫酸を用いていましたが、強酸であることやその腐食性からさまざまな機器のトラブルを抱えていました。Matheson Tri-Gas, Inc.では同社の要請により、CO2を用いた排水処理システムを提案し、同社で試運転を実施しました。結果は期待をはるかに上回るもので、本格導入となり、その結果、上述の問題はすべて解消されて十分な排水処理性能を確保できました。
排水処理におけるCO 2 活用

環境世界ガス利用技術で貢献する食品ロス削減への取り組み

食品ロス削減でもガス利用技術が使われています。タイでは、ドリアンやマンゴーなどの特産品の多くを国外に輸出していますが、これらの特産品を液化窒素で急速冷凍することで、味・歯ごたえなどの食感や色を変化させずに長期保存できるようになりました。果物などの生鮮食品は、収穫時期が限定され、一度に大量の収穫物を保存しなければなりません。液化窒素での急速冷凍技術では、大量の収穫物を無駄なく処理できるため、食品ロス削減に貢献できます。また、袋入り菓子やカット野菜などのパッケージに窒素、酸素、炭酸ガスなどのガスを充填することで賞味期限を延長でき、結果として食品ロスの削減、生産計画の改善、輸送範囲の拡大など、さまざまな波及効果を期待できます。「食品ガス包装(MAP:Modified Atmosphere Packaging)」「液化窒素式凍結装置」などのガス利用技術で、食品業界の課題解決に貢献していきます。
ガス利用技術で貢献する食品ロス削減への取り組み

環境日本「培養肉」オープンイノベーションに参画

2021年10月、大陽日酸はインテグリカルチャー株式会社が主催するオープンイノベーションプラットフォーム「CulNet コンソーシアム」に参画しました。同コンソーシアムは培養肉などの細胞由来製品の量産化をめざすプラットフォームであり、培養液や培養槽など各領域に強みを持つ企業が参画し共同研究を進めています。大陽日酸は、細胞培養工程における溶存ガスや雰囲気ガスの制御など、関連するガス利用技術の開発を目的として同コンソーシアムに参画しました。
「培養肉」オープンイノベーションに参画

環境日本試合会場でのプラスチックごみ削減をめざすプロジェクトを実施

2021年9月、サーモスは、B.LEAGUE所属のプロバスケットボールチーム「アルバルク東京」との「SDGsパートナー」契約を締結しました。2021~2022シーズンのアルバルク東京のホーム試合において、試合観戦時にマイボトル持参を呼びかける「マイボトル推進プロジェクト」を両社で協力しながら取り組み、試合会場でのプラスチック(ペットボトル)ごみ削減をめざします。
試合会場でのプラスチックごみ削減をめざすプロジェクトを実施

環境日本「地下水保全」にともに取り組む連携協定を熊本市と締結

2022年3月、サーモスは熊本市と「水を通じた持続可能な社会の実現のための連携協定」を締結しました。熊本市は地下水保全やSDGsの取り組みとして、「マイボトルの利用促進」や「ペットボトルごみの削減」などに取り組んでいます。サーモスはこの活動を後押ししたいと、このたびの連携協定締結に至りました。市民へのマイボトルの利用促進や地下水保全取り組みへの参画推進を目的とした「限定オリジナルデザインボトルの制作・販売」や、熊本市主催のイベントにおいてマイボトルの利用を促すキャンペーンなどを実施しています。
「地下水保全」にともに取り組む連携協定を熊本市と締結